京都大学大学院法学研究科・法学部は、司法制度改革の趣旨に則り、平成16年4月に法科大学院を開設しました。昨年3月には134名の第1期生が課程を修了し、このうち87名の者が第1回の新司法試験に合格して、司法修習へと進みました。また、本年3月には、第1期の未修者52名を含む189名が課程を修了し、法務博士の学位を取得しました。社会の隅々に法の精神を息づかせるためには、それを担う法曹の活躍が必要です。本研究科・法学部は、従来、多くの優秀な法曹を輩出してきた伝統をもっており、今後も、その伝統を継承し、社会の様々な分野で指導的な役割を果たす法曹を数多く輩出したいと考えています。
 法科大学院では、少人数クラスを中心としたきめ細かな教育を行うとともに、多数の実務家教員も参加するなど、従来の法学部教育とは異なる教育体制をとっており、それに応じて学生納付金も通常より高く設定されています。しかしながら、良き法曹を育成するには、教育体制や学習環境をいっそう充実させる必要があり、本法科大学院ではそのための努力を重ねています。もっとも、昨今の大学財政をめぐる状況には厳しいものがあり、財政的な問題を感じることが少なくないのも事実です。そこで、設立趣旨においてご説明しておりますように、「京都大学法科大学院教育支援基金」を設けることとしました。厳しい経済環境の中、心苦しい限りですが、趣旨にご賛同の上、ご協力いただけますよう、衷心よりお願い申し上げます。

京都大学法科大学院長
村中 孝史