過去の入試説明会等での講演内容からの抜粋です。身分・所属等は、とくに断りがない限り、当時のものです。

太田 慎也 おおた しんや

北浜法律事務所(大阪)

平成22年入学 (既修)/ 平成24年修了
京都大学法学部 卒

法科大学院で
学ぶ意義

私は大阪で働いており、訴訟で裁判所に通ったり、事業再生で潰れかけの会社を助けたりしています。M&Aで会社を買収するときにデューデリジェンスをしたり、株式譲渡契約を見たり、不正が生じた疑惑のある会社について不正調査をしたりしています。嫌なこともありますが、毎日楽しく仕事をしています。

法科大学院の意義は、一つは、勘所や法律的な考え方を2年3年かけて学ぶことだと思います。私は既修なので学部の4年間法律を学んだのですが、それは単に知識を入れただけでした。法科大学院では、知識をどう活用して、わからない問題にどう取り組むのかを身につけることができたと思います。仕事でも難しい法律が多々出てきますが、何が問題になっているのかがすぐわかり、リサーチの時間や事件の進め方を短時間で決めることができるようになったと思います。

二点目は、働くための健全な心身を得ることだと思います。授業はもちろん、予習・復習もありますので、帰るのが遅くなります。働き出してからも、やはり時間をいろいろと使って一生懸命取り組まないといけません。でも、法科大学院で、勉強しながらもどういうふうに息を抜いていくかを学ぶことができたので、いま忙しく働いている中でも楽しくやっていくことができていると思います。また、法科大学院の双方向の授業では、先生方はこちらの話し方が悪くても理解してくださいましたが、いま相手にしているのは裁判官や相手方の弁護士が多く、ストレスがたまります。それでも、法科大学院で双方向の授業に2年間向き合ったおかげで、仕事の中で何ごとにも動じなくなったように思います。

三点目は、友達をつくることだと思います。特に法科大学院での友達は、クラスが緊密なことと、毎日双方向の授業にさらされていることもあり、一体感が出てきてとても仲よくなります。苦楽をともにした仲間なので、法曹になってからも、わからないことがあると友達に聞いたり聞かれたりしています。

法科大学院は、やはり勉強はたくさんしないといけないので在学時にはつらいと思っていた方も、修了したあとで改めて話すと、法科大学院は楽しかったとみんな言います。上手に息を抜くこともでき、仲間と一緒に過ごしているということもありますし、また何よりも働いてみて感じるのは、重い責任を負わない状況の中で好きなように勉強できるのが法科大学院の一つの魅力であり、楽しさではないかということです。

これから受験を控えておられる皆さんも、何も気負うことなく勉学に励んで、法科大学院に入って法曹を目指していただければと思います。

(平成28年4月9日)