法科大学院について
京都大学法学部教育支援基金募集趣意書
京都大学大学院法学研究科・法学部は、明治32年の京都帝国大学法科大学開設以来、自由な発想と理論性を尊ぶ独自の学風をはぐくみ、幾多の研究成果を生み出すとともに数多くの有為の人材を輩出してきました。卒業生は、法学、政治学の勉学、また、教員、学友との議論を通じて修得した能力を活かし、官界、法曹界、経済界をはじめ、日本社会の様々な分野において、それぞれ指導的な地位にたって活躍しています。日本社会の国際化が進展し、それに伴って法的ルールの意義が高まりつつある現在、法学部教育を通じた人材の養成が今まで以上に強く求められており、本研究科としては、法学部教育の一層の充実を図るとともに、教育環境の整備、向上にも努めたいと考えています。
法科大学院設置以降、法学科目について基本的な内容を精選してカリキュラムを組み直し、結果として、やや削減の方向となりましたが、近時は、法曹以外についてもより高い法的能力の習得が望まれており、それに対応して、応用的科目の単位数を増加させたり、企業のご協力を得て、学術と実務を架橋する新科目を開設したりしてきました。今後は、これらに加え、外国人教員による科目の開発や、既存科目の授業方法の改善にも取り組む予定です。
幸いなことに、以上のような教育改革の一部については、平成25年度から国の特別な財政的援助を受けることとなりましたが、近時にける国立大学法人の財政は、ご承知のとおり、大変厳しいものであり、本研究科においても、平成16年の法人化以降、予算規模の縮小を余儀なくされてきました。今まで様々な経費節減に取り組んできましたが、書籍代金が上昇するにもかかわらず、図書予算を減額せざるを得ず、又、平成26年度以降は教員数の削減を行わざるを得ない事態となっています。
このような状況下におきましても、上記のとおり、法学部教育の重要性は従来以上に大きなものとなっており、本研究科としては、法学部教育の充実をきわめて重要な課題であると考えています。教育内容の改革とともに、試験用六法の定期的購入、図書等の備品購入や学習環境の整備、さらには教員ポストの維持が必要なのですが、そのための資金確保は非常に困難な状況です。
資金確保のために、本研究科としても各種競争的資金への応募や経費節減努力を続ける所存ですが、それにも限界があり、平成26年度より京都大学法学部教育支援基金を設け、皆様方に募金のお願いをしております。上記の主旨をご理解いただき、ご高配いただけますと幸いです。
京都大学大学院法学研究科長 法学部長 唐渡 晃弘
募集要項