過去の入試説明会等での講演内容からの抜粋です。身分・所属等は、とくに断りがない限り、当時のものです。

上田 知季 うえだ ともき

在学生

平成27年入学 (既修) / 3年次生
立命館大学法学部 卒

外部から京大に
入ってみて

僕は他大学の出身なので、入学する前は、勉強についていけるのか、同級生と仲よくやっていけるのか、京大内部生と比べて情報不足にならないかが不安でした。

勉強については、入学して1年経って、民法など京大内部生はよく知っているなと感じますが、でも結局は、どこの大学出身というよりも、その人次第だと思います。入学前にどれだけ基本的な勉強を根気よくやってきたかが、まず一番大きいところだと思います。また入学後は、苦手な科目で予習・復習を人よりも丁寧にやるかどうかで、ロースクールでやっていけるか否かが分かれると思います。ロースクールではみんな必死に勉強するのだから差がつかないと思われるかもしれませんが、それでも、授業を受けて必要最低限のことだけをする人と、それにプラスアルファをする人とがいて、自ずと差がつきます。やはり頑張った分だけ成績にも返ってきますし、本当にやる気があって頑張れるのなら、十分やっていけます。だから他大学出身でも心配する必要はありません。

同級生と仲よくやっていけるか、情報不足にならないかという点は、勉強以上に心配する必要はありません。1学年3クラス制で1クラス約50人ですが、この50人で2年間苦楽をともにし、難しい授業をみんなで受けるので、本当に仲よくなります。クラス単位で飲み会を行ったり野球をしたり、クラス対抗のイベントもあるので、みんなで頑張っていこうという雰囲気があります。内部・外部、既修・未修も関係なく、仲よくやっています。自習室で勉強をしている人が多く、「ちょっとわからへんから教えて」と言うと教えてくれる雰囲気があります。また、勉強会で一緒に授業の復習をしたり、問題を解いたりするのですが、僕は九州大学と大阪大学出身の人、京大内部生の人、未修の人の5人でやっています。そこでいろんな出身大学の人と話をし、お互い弱い点を補えるので、情報不足になることもありません。

司法試験だけでは
もったいない

ここの授業では、司法試験以上の内容をやりますが、実務家になるために来ているので、司法試験に受からないと元も子もない、だからみんなそこは意識して勉強しています。でも、1年やってみて思うのは、司法試験の勉強だけで2年間過ごすのはもったいないということです。皆さん、弁護士・裁判官・検察官などを目指していると思いますが、例えば弁護士にしても具体的にどういう弁護士になりたいかは決まっていない方も多いでしょう。ロースクールでは教授や実務家の一流の先生方との距離が近いので、お話ししていると、こういう分野もおもしろそうだなと、自分の将来を考える機会が多くて、司法試験の勉強だけをするのはもったいないと感じます。長い目で見れば、司法試験に受かった後の時間のほうが圧倒的に長いのですから、皆さんが京都大学ロースクールを目指す価値はやはりあると思います。

(平成28年4月9日)