過去の入試説明会等での講演内容からの抜粋です。身分・所属等は、とくに断りがない限り、当時のものです。

角田 美咲 すみだ みさき

在学生

平成27年入学 (既修)/ 3年次生
京都大学法学部 卒

ロースクール
での日々

京大ロースクールで1年半過ごしてみてよかったと思うことをお話しします。
まず、授業についてです。学生が予習にかける時間は平均4時間以上だそうですが、予習では主に、教科書の中の指定されたクエスチョンについて自分の答えを用意する、そのために判例や基本書を読みこむ、といったことをします。クエスチョンは、その日扱う分野についての基本的な理論を理解しているかを確認するもの、重要な判例の判断理由や判例の射程を分析させるものなどが多く、他には、事例演習で、XはYにどんな請求ができるかという問いに対し、法律構成をどうするかや、当てはめを考えるというのもあります。予習をし、かつ授業を聞いた上でノートを作ると、だいたい1回あたりA4で15から20ページになります。京大ロースクールでは、とても信頼できる先生の下で、予習や授業での対話を通じて、基本的なことを学部の時よりもしっかり理解できるようになったと感じています。

ロースクールでは、生活の大部分を授業とその予習が占めます。自主的に勉強会を組んでいる場合はその準備などもあります。私の場合、基本的な一日は、6時に起き、自宅生ですので通学して8時に学校に着いて、10時半の授業まで予習の確認をし、二つほど授業を受けて、夜10時頃まで自習室で翌日の授業の予習や勉強会の準備などをします。そのあと帰宅して24時に寝ます。こう見ると机に向かっている時間はすごく長いですが、いつ何時間どこで勉強するかは人それぞれで、みんな自分の生活スタイルを持っています。

週末やテスト明けには、野球をしたり、ハロウィンをやってみたり、クラスで飲み会を開いたりして息抜きをしています。クラスメートはとても優秀で、勉強の大変さも分かち合えますし、勉強方法などで迷ったときには、相談できる先輩も近くにいてとても心強いです。こういった人とのつながりは、ロースクールならではだと思います。

将来の進路と選択科目の履修

私はこの1年半、自分が将来どんな法曹になりたいかを考える機会に恵まれました。弁護士になりたいことに迷いはないのですが、ロースクールで沢山の実務家の先生に出会えたおかげで、弁護士にもいろんな形があることがわかってきました。ロースクールでは、エクスターンシップに参加したり、進路説明会で民間企業や官公庁の話を聞けたり、博士後期課程の説明会もあります。また、ロースクールがやっているものではないですが、ロースクール生向けの弁護士事務所のインターンというのもあり、5日間ほど弁護士事務所で研修を受けることができます。

エクスターンシップは、授業科目として弁護士事務所で研修ができるというものです。地域や事務所の規模・仕事分野から自分が興味のある事務所の希望を出し、行けることになると10日間研修を受けられます。京大ロースクールは沢山の事務所と提携していて、毎年100人ほど参加できます。

こうした経験を通じて、自分が何を勉強する必要があるかが分かり、また興味を持つ分野が出てきますので、それに応じて履修する選択科目を選べます。私の場合、エクスターンシップで訴状を書く練習や裁判手続の勉強をする必要があるなと痛感しましたので、今期は民事弁護実務演習という科目を取っています。この授業では、ベテランの弁護士の先生に自分の書いた訴状を添削してもらえたり、実務ならではの視点を教えていただいたりしています。また、興味がある分野として、M&A法制や経済法に関する授業も履修しています。どちらも第一線で活躍されているすごい弁護士の先生が担当ですが、先生方はとても気さくで、内容も面白くて感動しています。

このように、京大ロースクールで学ぶことには、たくさんのメリットがあると思います。

(平成28年6月25日)