過去の入試説明会等での講演内容からの抜粋です。身分・所属等は、とくに断りがない限り、当時のものです。

崔 加奈 さい かな

在学生

平成26年入学 (未修)/ 3年次生
早稲田大学国際教養学部 卒

未修者として
京大で学んで

最初から少し暗い話になってしまいますが、未修コースで入学して、法科大学院の授業についていくことはとても大変です。法学部で3年ないし4年かけて優秀な人たちが一生懸命勉強した内容を1年で追いつくというカリキュラムになっているので、これは当たり前の話です。私は、学部ではほとんど法律の勉強はしておらず、ロースクールを受験すると決めてから、法律の入門書を読んだ程度でした。いま、学期中の平日は毎日12時間くらい勉強していますが、それでも授業についていくのはとても大変です。未修コースの志願者には、仕事との両立を考えている方もおられるかもしれませんが、たまの息抜きは別にして、日常的に勉強以外のことをする時間はないと思ったほうがよいです。私と同じ年に入学した未修者の半数以上は、いま3年生になっていません。留年したり退学したりした方が半数以上です。留年や退学は必ずしもネガティブな理由ばかりではないですけれども、ただ、それくらい勉強は大変ですので、軽い気持ちでではなく、大変だとしてもぜひ頑張りたいという気概、覚悟を持って入学してきてほしいと思います。

他方で、大変でも挑戦したいという方には、私は京都大学法科大学院を強くお勧めします。それは、最高の教授陣と最高の同級生がいるからです。法律を学ぶ上で一番大事なことは、記憶や暗記ではなく、論理的に物事を考える力だと思いますが、その力を鍛える上で、ここの授業はとても有効です。教授陣は、授業の中で的確に学生の答えの矛盾や問題点を指摘したり、また論点を整理し、議論を正しい方向に導いたりしてくれます。そうした授業中の問答を聞くことが、そのまま論理的思考をたどる作業になるので、授業を通じて自然と論理的に物事を考える力が鍛えられます。同級生もとても優秀です。法科大学院では何人かで勉強会をする機会が多々ありますが、自分では到底気づけないような間違いや矛盾点を鋭く同級生が指摘してくれます。京都大学法科大学院に入ってからは、そのような教授や同級生に感動しっぱなしです。私も一歩でも近づきたいと思い、日々研鑽しています。

ぜひ頑張りたいというやる気のある方には、私は京都大学法科大学院を強く強くお勧めします。

(平成28年4月9日)